※下記内容は、過去のintra-mart(Ver4.3以前)に関する内容です。
最新のintra-martでは、異なる情報であることがありますので、ご注意ください。
ベースモジュールver2.X以前ではWebServerを別に立てる必要がありましたが、ベースモジュール ver3.0よりはWebServerの機能がintra-martApplicationServer(以下 iAS)内に内包されました。
そのためver3.0以降ではこれまでどおり、Apache/IIS/iPlanetなどの他社製WebServerを利用することもできますし、また iASに内包されたWebServer機能(以下intra-martHttpServer)を利用することも可能です。
ただどのような場合にはどちらの方式を利用するべきかの明確な指針がなかったため多少混乱している結果になっていることも事実です。
このコラムでは、それらの指針ついてまとめてみました。
(1)機能の整理
ベースモジュールver3.0からの2つの形態について記述します。
・他社製WebServerを利用時
Apache/IIS/iPlanetなどの他社製WebServerを利用する際の形態です。各WebServerに WebServerConnectorというプラグインモジュール(組み込みモジュール)を組み込みます。WebServerConnectorがiAS と接続することで、WebServerとの連携を可能にします。iASの分散構成時にはラウンドロビン(自動負荷分散)が実現できます。
・intra-martHttpServer利用時
iASに内包されているWebServer機能です。この機能を利用する際には他社のWebServerは必要ありません。
intra-martHttpServerは一般的なWebServerの機能を持っていますが、認証機能(Basic認証/SSL)の利用はできませ ん。
上記のどちらの方式を利用するかは、初期設定ファイルであるimart.confで設定します。
----imart.conf----
HttpServer:<app-server http="true"> →intra-martHttpServer利用
AppServer:<app-server http="false"> →他社製WebServer利用(WebServerConnector経由)
(2)それぞれの特徴
<他社製WebServerを利用時>
メリット:
・外部向けのサイトではWebServerを分離してDMZに設置できるため、iASの情報のセキュリティを保持できる。
・WebServerの機能でSSLによる暗号化を利用できる
・分散構成時にも高価なクラスタ装置を必要としない(WebServerにプラグインされたWebServerConnectorが振り分けの機能を持 つ)
デメリット:
・WebServerとiAS間のネットワーク負荷がかかる(内包されたintra-martHttpServerを利用するのに比べると若干速度が低下 する)
※またデメリットではありませんが、この形態では静的なHTMLファイルやgifファイルはWebServer上におかれることになります。
<intra-martHttpServer利用時>
メリット:
・iASに内包されたintra-martHttpServerを利用するのでネットワーク負荷がかからない(iASとintra- martHttpServerは同一のプロセス内で動作する)
・WebServerは購入する必要なし
デメリット:
・外部向けのサイトではiASをDMZに設置することになるため厳密なセキュリティが保持できない。
・intra-martHttpServerはSSLの機能が無い
→ただし分散構成時には市販のクラスタ製品をDMZに置き、またそのクラスタ製品でSSL機能があるものを選択するとセキュリティは保たれる仕組みとな る。
・分散構成時には高価なクラスタ製品が別途必要となる。
※この形態では静的なHTMLファイルやgifファイルiAS上におかれることになります。
(3)2つの形態の選択指針
以上より2つの形態の選択指針をまとめると以下のようになります。
・外向けのサイトで高いセキュリティレベルが必要となる
・SSLによる暗号化を使用したい
→他社製WebServerを選択
それ以外であれば、intra-martHttpServerを選択することで、レスポンス面でも向上します。