CookBook

Docker Swarm を利用して Resin のクラスタリングを構築する。

投稿日:2018-08-02 更新日:

この CookBook では、Docker Swarm を利用して Resin のクラスタリングを構築する手順について紹介しています。
Docker Swarm を利用することで、複数マシンにまたがった仮想 Docker ネットワークを定義し、そのネットワーク上にコンテナをデプロイすることでクラスタリング環境を構築することができます。

レシピ

  1. Docker Swarm Manager を作成する
  2. Docker Swarm クラスタに参加する
  3. Swarm 用 Docker Overlay Network を作成する
  4. Resin の Docker Image を作成する
  5. Swarm クラスタに Resin タスクをデプロイする

この CookBook では 2 台のマシンを利用します。

1 台目 2 台目
名前 マシン A マシン B
役割 Docker Swarm Manager Docker Swarm Worker
プライベート IP アドレス 192.168.0.2 192.168.0.3

マシン A を Docker Swarm クラスタのマネージャーとします。
マシン B をマシン A のクラスタに参加するノードとします。

1. Docker Swarm Manager を作成する

マシン A 上で以下のコマンドを実行します。

以下のような実行結果が返却されます。

エラーが出た場合 2377 ポートを他のプログラムが使用していないか確認してください。2377 ポートが利用できない場合 --listen-addr フラグを指定することで他のポートを使用することも可能です。
返却された実行結果の docker swarm join --token ... のコマンドをコピーします。

2. Docker Swarm クラスタに参加する

マシン B 上で、先ほどコピーしたコマンドを実行します。

以下のような実行結果が返却されます。
This node joined a swarm as a worker.

マシン A 上で以下のコマンドを実行します。

以下のような実行結果が返却されます。

マシン A とマシン B の 2 ノードで構成されていることが確認できます。

3. Swarm 用 Docker Overlay Network を作成する

マシン A 上で以下のコマンドを実行します

-d overlay を指定することで、Docker Swarm の各ノード上でまたがって利用可能なオーバーレイネットワークを作成します。
ここで作成したネットワークを Docker Swarm の各ノード内で利用する仮想的なネットワークとします。

マシン A 上で以下のコマンドを実行します

以下のように、NAME=resin-cluster, DRIVER=overlay, SCOPE=swarm のネットワークが作成されていることが確認できます。

SCOPE=swarm となっていることから分かるように、オーバーレイネットワークは Docker Swarm と組み合わせた場合のみ利用可能です。
docker run --net=resin-cluster のような利用はできません。

4. Resin の Docker Image を作成する

Dockerfile

resin-admin に admin/password でログインできるようにし、app_servers に DNS「tasks.resin-service」の A レコードから取れる値を指定し、2 台のクラスタリング環境を構築するよう設定しています。
DNS「tasks.resin-service」についての詳細は Container discovery を参照してください。
後の手順で resin-service という名称で Swarm サービスを作成するため、DNS「tasks.resin-service」で Swarm ノードのプライベート IP アドレスの一覧が取得できます。
この DNS は Swarm サービス起動完了後に利用可能になるため、利用可能になるまである程度時間がかかるため sleep 20 を入れています。
20 秒 sleep した後で、DNS「tasks.resin-service」の値を取得(dig)し、スペース区切りに変換(echo)し app_servers に指定しています。

マシン A, マシン B の両方で、myresin というタグでビルドします。

(イメージを DockerHub に push している場合、Worker ノードは自動的に pull するためすべてのノード上でビルドする必要はなくなります。)

5. Swarm クラスタに Resin タスクをデプロイする

マシン A 上で、以下のコマンドでタスクをデプロイします。

サービス名「resin-service」、レプリカ数 = 2, ネットワークは先ほど作成した「resin-cluster」でサービスを作成します。
レプリカを 2 個にしているため、マシン A, マシン B 上にデプロイされます。

以下のコマンドで、どのマシン上で実行されているかを確認できます。

マシン A, マシン B 上で実行されていることが確認できます。

コンテナのホスト名の設定(--hostname)は本来不要ですが、ここでは分かりやすい名前にすることを優先して設定しています。
コンテナの Resin が利用する 8080 ポート(target)をそのままホスト側の 8080 ポート(published)で開放しています。
そのため、http://192.168.0.2:8080/resin-admin, http://192.168.0.3:8080/resin-admin から resin-admin にアクセスできます。

resin-admin に admin/password でログインすることで、2 台のマシン上にデプロイされた Overlay ネットワーク上の Resin コンテナでクラスタリングを組めていることが確認できます。

まとめ

このように、Docker Swarm を利用することで、複数マシン上でのクラスタリング環境を構築できます。
上手く利用することで、10 台 や 20 台といった多数のマシンからなるクラスタリング環境も素早く構築することが可能です。
是非ご活用ください。

-CookBook

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

IM-BloomMaker で作成した画面で、入力項目の値によってエレメントの表示・非表示を切り替える方法

このCookBookでは、IM-BloomMakerで入力系エレメントの入力値によってエレメントの表示/非表示を切り替える方法について紹介しています。 実際にサンプル画面を作成しながら解説を行います。 …

no image

Azure 上に iAP を構築する方法

  この CookBook では、Azure の Virtual Machines 機能を用いて、スタンドアローンで intra-mart Accel Platform を構築する方法につい …

no image

入力画面の後に入力内容の確認画面を設定する方法

このCookbookでは、入力画面からの登録時に入力内容の確認画面を設定する方法を説明します。 この方法は、以下の製品で作成したアプリケーションやフローで利用できます。 IM-FormaDesigne …

申請者の役職から処理対象者を設定する

このCookbookでは、IM-Workflow 2018 Springから新たに追加された 処理対象者プラグイン「ロジックフロー(ユーザ)」 の設定方法を紹介いたします。 この機能を利用すると、申請 …

no image

IM-LogicDesignerで、ファイルアップロードに添付されたファイルの内容を、画面上に表示させる方法

このCookBookでは、IM-LogicDesignerで、ファイルアップロードに添付されたファイルの内容を、画面上に表示させる方法を紹介します。 完成イメージ 完成サンプル 以下の完成サンプルをダ …