こんにちは。エンタープライズソリューション本部の久木田(通称くっきー)と申します。
この会社のタイ料理店の店長をしています。
最近、矢野さんのトイレの空き状況の見える化システムや高松さんの社員が運営するオフィスコンビニのご紹介、久我さんの社員が運営するコーヒーサービスが公開されましたね。
これで終わり?いやいやイントラマートは奥が深いんです。
「もうこうなると連載?」と思いましたので、社内ランチケータリングサービスのタイ料理店についてアップします。
概要
今回、紹介したいのは、「都内トップクラスの美味しいタイ料理が社内のintra-martからワンクリックでオフィスで食べられる!」というコンセプトで運営している「タイ料理ランチケータリングサービス」です。
都内はランチ激戦区で、様々なケータリングやお弁当の販売サービスがありますが、それを社員自身が運営するというものです。
2014年2月から運営を始め、2年目に入りました。(ほぼ毎日食べて頂いている常連様もいて通算4000食以上提供しました)
以下の写真は、人気の日替わりメニューの一例です。
導入の背景
2013年4月に、以前いた溜池山王のオフィスから、現在の赤坂見附駅と赤坂駅、そして青山一丁目駅の中間に位置する赤坂ガーデンシティにオフィス移転しました。新しさと広さと最新設備を手に入れたのは良かったのですが、ビルの近くにあまりランチをする場所が少なく、社員の中からランチに関する不満がすぐにあがりました。
そこでケータリングの検討を行い、一度は食べてみたい『一流料亭のお弁当』をリーズナブルに出してくれる赤坂の某料亭弁当を開拓しケータリングがスタートしました。が、たちまち運用に課題が発生しました。
料亭としては、まとめて発注して欲しいということで、当社メンバーが料亭弁当を頼みたい人のオーダーをとりまとめ、店に電話やFAXで連絡し、昼に届いたお弁当を検品し頼んだ人に仕分け、お金のやりとりも行ったため、まとめてくれたメンバーには大きな負担がかかり本業への影響を懸念してケータリングを断念した経緯があります。
しかし、ながらせっかくのオフィスを昼食難民に終わらせたくなかったのでなんとかしようと一大決意をしました。
よし!あの溜池山王でみんなが満足して食べていたソウルフードバンコク溜池山王からランチケータリングで届けられるよう考えてみようと!
実現に向けた過程
まずはお店との交渉を始めました、ソウルフードバンコク溜池山王店さんは、日頃、お弁当の販売サービスを店頭で行っていましたがケータリングまでは実施していませんでした。
なんといっても店のランチ準備の忙しい時間帯にひと駅以上離れた弊社に配達してくれるかどうか?実現できるかは全く保証がありませんでした。
多少、面識のあった店長と社長にプランを相談し、そもそも配達してくれるかどうか?から交渉にあたりました。彼らもビジネスですので、率直に、
「最低、何個くらい発注ありますか?」という質問が投げかけられましたので、根拠のある数値で交渉したいと思い、弊社社内システム(intra-mart)のIMBoxを使って社員に問いかけました。
『タイ料理ケータリングをランチに導入したら一週間に何回くらい食べますか?』
このようなアンケートを取ったところ、回答結果は、平均回数は1日8食でした。(IMBox便利です。下記当時の画面イメージ)
この結果を見せることで、お店側との交渉はかなり前進しました。しかし、前回の運用の課題を解決しないことには、同じ失敗を繰り返してしまいます。
そこで誰かがするのではなくintra-martを活用して解決できる運用を考え、まずは運用の絵を書いて、簡易的な受発注システムを社内の開発本部長に相談したらなんと数日でシステムが出来上がりました。
intra-martの超高速開発をこの時ばかりはまざまざと実感しました。
開発本部長が、ここのタイ料理が好きということも開発スピードを早めたのかもしれませんね。
また管理部門にも許可が必要なため管理本部長に経緯とメリットを説明したところ、即、快諾を頂けました。
福利厚生とは言わないまでも『社員のため』を想い即決してもらえたのはありがたかったです。
仕組みはどうなってる?
まず、社内の共通のシステム(intra-mart)にIDとパスワードを入れログインしてランチ発注画面を選びます。(社内標準メニューに組み込んでます。下記はたくさんある業務メニューのごくごく一部です)
ここから『ソフルフードバンコク注文』を選ぶと、簡易画面開発ツール『IM-FormaDesigner』で開発されたランチメニューオーダー画面が出てきます。(モバイルでもOK)
ここから頼みたいメニューをクリックして『注文』ボタンを押すだけです。
お店と相談したオーダー締め切り時間の10時までに注文すれば、あとはintra-martのジョブスケジューラが、全員のオーダーを自動的に取りまとめ、メニュー単位に数量をまとめ溜池山王のお店に自動的に注文メールを出します。
社内の控えとして、先ほどのIMBoxへ関係者に自動投稿されます。こんな感じです。
この日は年に一度のガパオ390円のキャンペーンの日の内容です。いつもこんなだといいんですけどね。
開発本部長が、このジョブを作る際に画面はIM-FormaDesignerでほとんどノンコーディングで出来たのに、このような簡単な処理をわざわざスクリプトを書いて作らないとダメなのを痛切に感じ、簡単なロジックであれば、IM-FormaDesignerなどと同じようにノンコーディングで作成できるよう必要と感じたのが、IM-LogicDesignerが誕生する一つのキッカケになりました。
12時前になると溜池山王店のタイ人のビアさんがお弁当を運んで来てくれて、所定の場所(弊社内リフレッシュルーム)に配置してくれます。
我々の作業は、この時に行う検品だけですが、私も外出していたり、会議があったりするので、このケータリングランチサービスを一緒に支えているメンバーのお陰でシフトを組んで運営できています。
あとは、12時になるとオーダーして楽しみに待っていたメンバーがお弁当をリフレッシュルームに取りに来ます。(オーダー結果表にチェックして自分の分をとります)
そのままこのリフレッシュルームで暖かいタイ料理をすぐさま食べる人も多いですがここでは皆、思い思いにランチタイムを楽しんでいます。(この話題はまた別なブログ記事で)
お弁当代の集金ですが、給与引落しにしたかったところですがそこまで行くと基幹システムとの接続が絡み大事になるため現在はそこまでしていません。
月に1回、給料日に店長の私がViewCreatorで集計した一人一人ひとりの注文金額をIMBoxで通知し、みんなから集金してお店に支払いに行っています。これも今後は、LogicDesignerで集計、各個人宛に請求金額をメール送信にシステム化して行きたいです。
と仕組みはこんな感じです。
苦労したことは?
ビルセキュリティ
出店当時は、ビルのセキュリティが厳しいため1階入り口で警備のおじさんに「怪しいタイ人が来ています」と連絡され、吹っ飛んで行き説明して同行で荷物用エレベータに乗ったりしたこともありました。(今では手続き済みで、ビル入館特別パスあり)
配達方法
店側の立場に立つとやはり配送がネックになりました。世の中、お客様への最後の工程は『物流』ですからね。
配達も車代がでるわけでもないので時間や距離と物量を考え、どうやって運ぶのか? 協議を重ね両者で特製自転車を考案し、この運搬のための荷台を持つ特別な自転車をご用意頂きました。
おかげ様で雨の日も風の日も運んでもらっています(ビアさんありがとう)
嗜好の違いの反映
タイ料理は基本辛いイメージがありますよね?そう、辛いです。特にここの店は本格派なので超うまからなのですが、「辛くなければ食べたい」という特に女性社員からのリクエストも多かったので店と協議しメニューにもある「0辛」というメニューを開発しました。
同じメニューで2つの辛さの弁当を作らないといけないので店側としてはオペレーションが増えるのと間違いが起こる可能性も高くなるので、躊躇していましたが、お店側で運用も検討頂き了解頂きました。また個人的には、タイ料理で辛くないなんて、それで美味しいの?と半信半疑でしたが、シェフ達の腕が高いので、これが予想外に美味しいんです。現在ではなんとこの「0辛」が六割を占めています。
なぜ、そんなにマジに取組むの?
一言で言えば『楽しいから』です。
自分も含めてみんなが困るランチ難民からの脱出というテーマにチャレンジする。なんたって『食』ですからね。私は特に食についてはマジなので、社員、お店、もちろん自分が満足するようにどうしたらいいのか?想定されるハードルをどうやって越えていくのか?ここにintra-martをどうやって駆使するか?
これは、まさに課題を解決するドラマやドキュメンタリーさながらの食のかかった実戦なのです。
そして、その課題をクリアしていく道筋が見えた時の小さな喜びと、運用までこぎつけて、幸せそうに食べてくれるみんなの顔をみるだけでがんばれます。
そして、なによりもintra-martでこれを実現するんだという強い想いと同じ目的に向かって動いてくれる仲間がいるからこそがんばれます。
仲間も自ら色々考えてくれて、いろんな工夫もしてくれているんです(本当にお店みたいです)
お店側にはなんのメリットがあるの?
忙しいランチタイムに遠いオフィスに店からすると少量でも配達するメリットは何か?
これは、ソウルフードバンコクの店長からヒアリングしました。
- 発注されただけ作れば良いので在庫が絶対余らない。
- 売上傾向分析データを提供しているので他店への応用含めて貴重なデータ(個人情報は含まず)が得られる。
- 食べているユーザ(お客様)と直接味などの感想が聞ける。
ということで、お店側にもメリットが十分あるそうです。
ほんとに美味しいの?
社員のみなさんからのコメントの一部です。
「美味しい!」「私の好みにぴったり」というKさん。
「フロアまで運んで来てくれて小銭要らずだからランチ時間がフルに使える」「タイ料理美味しいです!」というSさん。
と、本当に美味しいというコメントがほとんどです。
最後に
このintra-martの仕組みを、営業メンバーが時々お客様にデモすると大変好評のようです。
同じようにランチに悩みを抱えられている企業も多いということと、この身近な仕組みでintra−martの課題解決が生々しく伝わるということなんでしょうね。
このように、無いところから作る、高いハードルを超えるということは大変なことは思いますが、「会社を便利にしたい!」という強い気持ちで、1つ1つ熱意を持ってクリアしていけば必ずゴールにたどり着くと思います。
現在も次々に攻め込んでくるランチパスポートや新手の弁当宅配など『競合』がオフィスに攻め込んできており、売上に影響が出てきていますが、ここにもどう対処していくか?どう立ち向かうのか?という世の中の熾烈な闘いに参加している感覚です。まさに食うか?食われるか?(笑)
こういう感覚を養うことが社会で勝ち抜く大切な経験だと思います。
「こう変えたい」「これができたらいいのに」と思ったら、誰かがやってくれるだろうではなく、自らすぐやってみる社員と、それを支持するリーダー層。そして想いに共感して自ら手を上げて協力してくれるメンバー。イントラマートの大事な社風だなと、私は思います。
皆さんの会社でも、近隣のお店とケータリングサービスをやってみたい!と思われたら、intra-martの活用方法や運営方法を共有しますので、ご連絡下さい。